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ライフネット生命…かぞくへの保険
若年層重視で、保険料も更新も中高齢にやさしくない。
リビング・ニーズ特約がない。
ライフネット生命は新規に設立された独立系の生保です。そして保険料原価の開示を初めて行いました。確かに保険の世界を変えつつあります。
そのことは素晴らしいことで、フロンティアスピリットを感じます。
だからとといって保険商品が良いか悪いかは別の問題です。
若年層重視で、中高齢にやさしくない。
更新ができなかったり、更新保険料も高くなる。あなたもいずれ中高年になる。
ライフネット生命は「30歳前後に保険を安く提供するビジネスモデル」で「中高齢にやさしくないビジネスモデル」です。「子育て世代の保険料を半額に」がこの会社のミッションですからそうなるのも当然で、経営戦略としてそれはそれでいいのでしょう。
更新とは例えば期間10年の定期保険が10年経過したならば、新たに期間10年の定期保険に入れる(更新できる)というものです。更新に際してはどのような健康状態になっていても更新ができます。ライフネット生命での問題は何歳まで更新できるか、です。
ライフネット生命の保険契約は64歳で10年更新ができます。これをもって最長74歳までの保障が継続するといいます。
しかし45歳に10年契約を更新した人は55歳で更新時期を迎えますが、その次の更新日に65歳となるのでもう更新できません。つまり64歳までで終了してしまいます。
言い換えると当初契約時が25歳・35歳・45歳の人は64歳までで保障終了です。強引に保険を終了されてしまうのです。
一般的には多くの保険会社では80歳まで更新できます。それと比較すると著しく不利な条件となっています。つまり世の中の大半の「一般的な保険会社」よりも明らかに不利なのです。
30歳とか35歳で保険に入るときに50歳台のことは考えません。しかし40歳・50歳台となるにつれて健康状態が悪化し、新契約は困難になり、否応なく更新を続けることになります。そうでなくとも何となく10年ごとに更新を続けます。
だから将来のどうするか分からなければ、選択肢は広く取っておくことです。その点で早く更新が終わるライフネット生命の保険は選択肢が狭くなります。
現在では65歳も仕事の上では現役の人が多くなっています。その頃にガン告知や余命宣告を受けていて、それで生命保険が更新できないとすれば随分悲しい思いをするでしょう。
保険契約する時にその気はなくとも離婚とか再婚等を経て50歳で子が生まれたら65歳ならまだ中学生です。いろいろな人生があります。親戚など恩のある人からの借金を担保するための保険なら止めるわけにいきません。
ライフネット生命の保険約款その他から
契約の更新…保険期間満了日の翌日(更新日)の年齢が64歳以下の場合は、健康状態にかかわらず、保険期間を更新することができます。ただし、更新後の保険期間は更新前の保険期間と同一とし、更新後の保険期間満了日は70歳の誕生日を迎える月の末日を超えないものとします。
「この保険は、契約者が、保険期間の満了の日の 2 か月前までに、継続しない旨を会社に通知しない限り、更新の請求があったものとして、保険期間の満了の日の翌日(更新日)に更新します。
なお、更新日に、被保険者が満65歳以上となる場合は更新されません。更新については、新たな申し込みや告知は不要です。」
他のネット生保であるネクスティア生命とオリックス生命は「80歳満了に変更して更新」なので80歳まで保障が続きます。参考までに損保ジャパンDIY生命を見たところ90歳でした。
30歳の時の保険料は安くても50歳になると…
ライフネット生命は、若年層の保険料を安く設定していますが、逆に中高齢になると他のネット生保比で保険料が高くなります。
ネット生保30歳保険料比較 期間10年 月払保険料 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
保険金 | 1000万円 | 2000万円 | 3000万円 | |||
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
30歳L | 1,328円 | 948円 | 2,406円 | 1,646円 | 3,484円 | 2,344円 |
30歳N | 1,530円 | 1,190円 | 2,360円 | 1,660円 | 3,450円 | 2,400円 |
30歳O | 1,310円 | 970円 | 2,393円 | 1,713円 | 3,476円 | 2,456円 |
30歳M非喫煙優良体 | 1,140円 | 1,060円 | 2,280円 | 2,120円 | 2,820円 | 2,580円 |
ネット生保50歳保険料比較 期間10年 月払保険料 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
保険金 | 1000万円 | 2000万円 | 3000万円 | |||
男性 | 女性 | 男性 | 女性 | 男性 | 女性 | |
50歳L | 5,898円 | 3,178円 | 11,546円 | 6,106円 | 17,194円 | 9,034円 |
50歳N | 5,620円 | 3,210円 | 10,820円 | 5,980円 | 16,230円 | 8,970円 |
50歳O | 5,297円 | 2,909円 | 10,367円 | 5,591円 | ||
50歳M非喫煙優良体 | 3,860円 | 2,630円 | 7,720円 | 5,260円 | 10,980円 | 7,290円 |
中高齢の顧客は相手にしたくないのでしょうか、例えば59歳で期間10年の定期保険には入れなくなってしまいます。最高齢だと64歳での70歳までの6年間の定期保険です。他社とは違います。
「私はまだ若いからいい?」…この生命保険に入ると10年ごとに自動更新します。
この中高齢は相手にしたくないと言うビジネスモデルは若い人にもそのうち影響します。10年定期保険なら10年ごとにその年齢の保険料で更新します。
更新するたびに中高年の保険料に変わっていくのです。中高齢にやさしくないビジネスモデルは、現在若くても影響を受けるのです。
30歳で契約したら40歳に自動更新して、40歳の保険料になります。だから最初から「10年だけで終わらせる」と決めていたり、最初から「期間30年の定期保険」を選ぶのであればいいのですが、30歳で契約しても20年30年40年と同じ保険会社の契約を更新し継続することになります(「更新」は更新時の健康状態に限らず可能です)。
その時はその会社の設定する保険料です。中高齢にやさしくないビジネスモデルですから、中高齢の保険料は他のネット生保に比べ高めです。
「その時に安い保険会社に移るからいい?」…そうできればいいのですが、その時の健康状態が悪いと別会社の新契約には入れません。40歳、50歳になるとそのような人が激増します。
リビングニーズ特約がつかない
またネクスティア生命・オリックス生命・メットライフアリコ生命にあるような「リビングニーズ特約」は付けることができません。
「リビングニーズ特約」はネット生保に限らずほとんどの生命保険会社の保険商品に用意されているものです。それが無いのです。
リビング・ニーズ特約とはと、余命6ヵ月以内と診断された時に死亡保険金の全部または一部を生前に受け取れるという特約です。そのお金を先進医療費に使ってもいいし、頑張って生きた思い出のための世界一周旅行にも使えます。
また、リビングニーズ特約の特約保険料は普通は無料、ゼロ円です。だったなら選択肢を広げておく意味でリビングニーズ特約があるのなら付けておくべき特約です。
なお、死亡ではなく「高度障害」になると高度障害保険金として死亡保険金と同額が支給されます。これはどの保険会社も同様です。しかし高度障害保険金でリビングニーズ特約が代替えできるとは限りません。ガンなどによる余命宣告の場合には高度障害に該当しないことが多いでしょう。
先が見えない場面では…
「今は予測が極めて難しい時代。将棋でいえば、5手、10手先を考えても仕方ない局面。とりあえず次の一手を考えて指して、相手の手を見てまた考えるしかない。将棋の場合、わけのわからない局面ではとんでもなく悪い手を指す可能性が高い。だから、いい手を指すより、悪い手を指さないことが重要だ
また、先が見えない場面では将来にできるだけ多くの選択肢を残すことが大事。将棋でいう『含みの多い手』が望ましい。…」
日本経済新聞2012.3.11.将棋棋士 羽生善治氏
これからの10年だけでいい。先のことは分からないから、中高年になって他生保より保険料が高くなってもいいし、更新ができなくなり他生保より早く保障途切れてもかまわない、リビングニーズ特約なんか使わないだろうから、そんな特約がなくてもかまわない。
それも結構です。
ただ「先が見えない場面では将来にできるだけ多くの選択肢を残すことが大事」ではないでしょうか。
保険料を安くするために特約をなくしシンプルにしたのがライフネット生命です。「子育て世代の保険料を半額にする」ために、他社ならやらないそんな新しい道をつくったライフネット生命さんのやり方には敬意を表します。
ただ契約者の立場として見れみれば、他の日本生保なら当然の「80歳までの更新」や「リビングニーズ特約」という選択肢を残さなくていいのか…。
分かりやすい保険料の仕組み
ライフネット生命の保険料の仕組みは分かりやすいものです。最初の保障額1000万円までの保険料は1764円です。それ以降は1000万円につき1514円です。
最初の保障額1000万円は基本的経費250万円と1764円の合計1764円ではないでしょうか。つまり保険1契約当たりの共通する集金経費等は保険金1000万円でも2000万円でも3000万円でも一律250円。それに死亡保険金1000万円あたり1514万円の保険料を加算した金額です。
ライフネット生命の保険金上限額等
ライフネット生命は満18歳〜満64歳までが契約可能で、期間10年間、55歳満了(契約年齢から55歳になるまでの期間)、60歳満了、65歳満了、70歳満了の保険がある。
保険料払込回数は月払だけで年払い半年払いはなし。払い込み方法はクレジットカード払・口座振替払。
定期保険 500万円〜1億円(100万円単位で設定可能)
保険金額によっては(18-40歳は3000万円、41-45歳は2500万円、46-50歳は2000万円)健康状態の質問事項に答えるだけで、健康診断書が無くてもお申し込みができる。もちろん告知内容によっては(傷病歴や健康診断で異常指摘がある場合には)、ライフネット生命からの連絡により定期健康診断の結果表コピーなどの提出が必要な時もある。
この告知扱いでお申し込みできる保険金額上限を超えてお申し込むばあいには、過去1年以内に受診された定期健康診断結果表コピー(一定の必須項目の記載が確認できるもので、生命保険加入のために受診するものではなく勤務先の定期健康診断や、住まいの地域で受診する住民検診など、健康管理のために定期的に行われている健康診断)の提出により審査されます。
従来の保険会社では保険会社指定の医師(診査医)の診断による保険加入手続き(診査医扱い)がありますが、ライフネット生命では診査医扱いの取り扱いはありません。
ライフネット生命の「お客様アンケート」の結果
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